【翻訳依頼は断っても大丈夫?】上手な断り方のポイントを解説

「いま多忙なので翻訳会社からの依頼をお断りしたいけど、次回から依頼がなくなったらどうしよう?」と不安に思ったことはありませんか?

フリーランスは働いた分だけ収入になるので可能な限り仕事を引き受けたい。だけど、どうしても依頼のスケジュールが重なることってありますよね。

スケジュール以外にも

  • 体調不良
  • 原稿内容が得意じゃない
  • 単価が安いので他社を優先したい

など、「ちょっと今回お断りしたいなぁ〜」と思うことがあるかと思います。

無理して引き受けても低品質な訳文を納品すれば今後の評価にもかかわるし、無理して体調を壊してしまっては本末転倒です。

今回は、翻訳コーディネーター歴10年の僕が、案件をお断りしたいときの「上手な断り方のポイント」について解説いたします。

この記事を読むとこんなことがわかります。

  • 翻訳依頼は断っても大丈夫なのか
  • 翻訳依頼の上手な断り方
このブログの登場人物

くん太

  • 北海道から上京し、都内某翻訳会社で翻訳コーディネーターとして10年勤務
  • 現在は脱社畜してwebライターとして活動中

通りすがりのウシ

  • たまに通りがかっては何かとツッコミをいれてくる
  • 普段は牧場でのんびり草を食べている
目次

翻訳依頼は断っても大丈夫なの?

結論から言うと、都合がつかないときは翻訳依頼を断っていただいて大丈夫です。

無理してお引き受けいただいて、品質が悪かったり納期遅延をしてしまう方が遥かに影響は大きいからです。

ただし、打診してもお断りされることが続いてしまうと徐々に打診連絡自体が減ってしまう可能性はあります。

翻訳依頼を受けられるかどうかはタイミングの問題もありコントロールが難しいところではありますが、お断りする際は気をつけるポイントがありますので、次の項目で詳しく解説していきます。

上手な断り方のポイント

翻訳コーディネーターとはせっかちな生き物です。

クライアントから受注した翻訳プロジェクトは、「翻訳→校正→レイアウト調整→最終チェック」などさまざまな工程を経て納品されます。

工程を組むためにはまず「翻訳」の手配をしなくてはならず、ここが決まらないと次の工程の手配ができません。

そのため、打診の返信は早く欲しいし、断られてまた次の候補者に連絡、その返信を待つ、なんてことはできればしたくないのです。

打診の連絡を受けたときに、タイミングが合わずお断りするときは下記のようなポイントに気をつけることで、今後に悪影響を及ぼさずにお断りができるでしょう。

ひとつずつ解説していきます。

断る場合は早めに連絡する

繰り返しますが、翻訳コーディネーターはせっかちな生き物です。

打診のメールを送ったなら、なるべく早くお返事をいただきたいと思っています。

お返事がなかなかいただけないと、「諦めて他の翻訳者さんに連絡をしたほうが良いか?」「いやいや、受けてくれると信じてもう少し待つべきか?」という葛藤に悩まされます。

くん太

そして待ったあげくお断りされた場合のショックは大きいのです。
(翻訳コーディネーター経験者の方ならわかってもらえますよね??)

そのショックは次回打診時に候補の翻訳者を検討するときにも「また待った挙げ句断られるのは嫌だなぁ・・」と悪影響を与えてしまう可能性があります。

とはいえ翻訳者さんにも都合がありますし、いつでも即レスポンスが出来るとは思っておりません。

でも対応出来ないことが明らかな打診内容であれば、できればすぐにお断りのご連絡をすることをおすすめします。

「こういう条件なら対応できる」という前向き姿勢を見せる

翻訳コーディネーターが提示してきた条件で受けられない場合、こちらから対応可能な条件を提示してみましょう。

  • 「納期を◯月◯日に延長していただければ対応可能です。」
  • 「全量は対応できませんが、◯◯文字程度であれば対応できます。」
  • 「◯◯円の追加料金をいただけたら対応可能です」
  • 「現在御社よりご依頼いただいている◯◯案件の翻訳を後回しにして問題なければ可能です。」

など

こうすることで、前向きな姿勢とやる気をアピールできます。

くん太

実際、納期に余裕があって調整が可能なこともあるんです。

翻訳コーディネーターからの打診に対して「対応できません」とだけ、ぶっきらぼうにお返事をいただくことがあります。

一方で、上述のように対応可能な条件を提示してくださる翻訳者さんもいます。

翻訳コーディネーターとしては、次回案件が発生したときにはもちろん後者の方から声をかけたいと思います。

可能な条件を提示しても結局調整が出来ず、あなたに依頼を出来ないかもしれませんが「◯◯さん、やる気あるのに依頼できなくて残念だったなぁ。次回こそ引き受けてもらえるといいな」という印象を残せる可能性があります。

対応できない理由を伝える

お断りのお返事をする際に、「今回はこういう理由でお受けできません」という理由の説明を添えていただくと印象が大きく変わります。

例えば「ちょうど御社の別の翻訳コーディネーターさんから依頼を受けてしまいまして、残念ながら今回は対応できません」など、理由を添えていただくことで、「あぁ、それなら仕方ないな。次回また相談してみよう」と思ってもらえます。

一方で、ただ単に「お引き受けできません」の連絡のみだと、「うちからの依頼を受けたくないのかな?」「なにか嫌われるようなことしたかな?」と心配になってしまいます。

くれぐれも無理はしない

僕の知っている翻訳者さんで、「せっかくご依頼いただいたのに断るのは悪いので、絶対に連続ではお断りしないことに決めている」という方がいました。

それを聞いたとき、「メッチャクチャ忙しかったとしても2回目の打診は必ず受けるということか・・お・・恐ろしくて逆に依頼できん・・」と思ってしまいました。

こちらからは翻訳者さんの状況は詳しく見えませんので、無理なときは無理とおっしゃっていただきたいと思っています。

翻訳者さんが翻訳できる分量や費やせる時間は物理的に限界があるということはよく理解していますので、本当に、くれぐれも無理はなさらないでください・・。

初めて連絡をくれたコーディネーターからの依頼はなるべく受けた方が良い

ここまで、断っても大丈夫ですよとお伝えしてきましたが、もし調整が可能なのであれば初めて連絡をくれた翻訳コーディネーターの依頼は受けておいた方が良いでしょう。

初めて依頼の連絡をくれる翻訳コーディネーターには、いくつかのパターンが考えられます。

  • 新人翻訳コーディネーター
  • 別のコーディネーターから紹介があったなど、なにかであなたの情報を見つけ、依頼してみようと思った
  • いつも依頼している翻訳者が空いておらず、普段依頼していない翻訳者に依頼してみようと思った

いずれの場合でも、もし最初の依頼で気に入ってもらえれば次回以降案件が発生したときに「依頼してみたい翻訳者」候補入りすることができます。

これはあくまでも「いつも依頼してくれている翻訳コーディネーターの案件を投げ出してまで引き受けよう!」ということではありません。「調整可能なのであれば受けたほうが良い」という感じです。

くん太

結局は受けられるかどうかは打診をいただくタイミングの問題となってしまうかもしれませんね。

すでに受けてしまった案件を断るには?

「すでに受けてしまった案件を、事情があってやっぱり断りたい!」というときってありますよね。

「引き受けた直後」なのか、「納品日直前なのか」など、お断りするタイミングによっても変わりますが、これはプロジェクト関係者への影響が大きいので、本来であれば極力避けたい事態ではあります。

しかし、どうしてもそのような状況になってしまったときは、お断りせざるを得なくなった理由も添えてとにかく可能な限り早めに連絡するようにしましょう。

当然翻訳コーディネーターはそのあと慌てて代理の翻訳者さんを探すことになりますし、翻訳のスケジュールに変更が生じるのであれば、校正者などプロジェクトにかかわるすべての作業者のスケジュールを調整しなくてはならないからです。

最悪の場合はクライアントへの納期にも影響してしまいます。

通りすがりのウシ

こういう連絡って実際あるの?

くん太

はい、頻繁にではありませんが、お引き受けいただいた後に翻訳者さんからこういった連絡をいただくことはありますね。

ご家族の病気や身内の不幸など、やむを得ない理由もありますが、「原稿を良く見ずに受けてしまったけど、よく見たら内容的に対応できそうにありません」という連絡をいただいたこともあります。

やむを得ない事情の場合は、翻訳コーディネーターも理解していますので特に次回の依頼に悪影響が出るということはありません。

ただし、確認不足など不注意によるものだと翻訳コーディネーターに与えてしまうマイナスポイントは大きいと言わざるを得ません。

このような事態を防ぐためにも、打診時に原稿を受領したらすぐに原稿の中身を見て、対応の可否や不明点などを確認するようにしましょう。

お盆休みやお正月休みは取っても大丈夫?

お盆休みやお正月休みなど、国民がみんな休むような大型連休の際はもちろん翻訳者さんもお休みしたいですよね。

しかしクライアントは連休中も休ませてくれません。お正月期間でも翻訳依頼は発生します。

そんな中、長期の休みって取っても大丈夫なのか気になりますよね。

これは結論としては別にお休みを取ってもらっても問題ありません。

翻訳コーディネーターは、翻訳者さんも大型連休は休みを取るだろうと思っています。

そのため連休をまたぐ翻訳プロジェクトが発生することが事前にわかっている場合は、連休中も稼働してくれる翻訳者さんを見つけて早めに予定を押さえておくなど対策を取っています。

大型連休を休んだからといってマイナス評価にはなりませんが、逆に言えば多くの翻訳者さんがお休みをする大型連休に稼働していれば、依頼をもらえる可能性は高くなるとも言えます。

特に予定がなく稼働出来るということであれば、「◯◯の連休期間も対応可能なのでなにかあればご連絡ください」と伝えておくとお仕事をもらえるかもしれません。

まとめ

翻訳依頼の上手なお断りポイントは下記のとおりです。

  • 断る場合は早めに連絡する
  • 「こういう条件なら対応できる」という前向き姿勢を見せる
  • 対応できない理由を伝える
  • くれぐれも無理はしない

フリーランスは自分が倒れてしまったら収入は途絶えてしまいます。

キャパを超えた分は上手にお断りすることが、長い目で見るとより安定した収入につながるので、くれぐれも無理はしないようにしましょう。

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この記事を書いた人

翻訳会社で翻訳コーディネーターとして10年以上勤務。
現在は副業でWebライターとしても活動中のアラフォーです。

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